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Markdown(Obsidian)と Word から読み込む

既存の執筆環境で原稿を作り始め、後から Scribe に移すことができます。このチュートリアルでは、Obsidian の保管庫や複数の Markdown ファイル、および Microsoft Word 文書から読み込む代表的な手順を説明します。

  • パート A — Markdown / Obsidian から Scribe へ
  • パート B — Word(.docx)から Scribe へ

どちらの方法でも、章を Markdown 文書として管理し、画像を Project の素材フォルダーに置き、ファイルツリーの順序とコンパイル設定を整えた Scribe Project を作成します。

長編原稿では、各パートに約 30 分を見込んでください。

始める前に

次のものを用意します。

  • Markdown、Obsidian、Word のいずれかで作成した執筆中または完成済みの原稿
  • インストールしてサインイン済みの Scribe。読み込みは Free でも利用できます。
  • 元のフォルダーまたは .docx ファイルのバックアップ

作業を始める前に、必ず元のフォルダーまたは .docx のバックアップを作成してください。読み込み後の内容を確認してから、以後どこで原稿を管理するかを決めます。


パート A — Markdown / Obsidian から Scribe へ

A1. 空の Scribe Project を作成する

  1. Scribe を開き、ようこそ画面で 新規プロジェクトを選択します。
  2. システムのフォルダー選択画面で、原稿名を付けた空のフォルダーを作成または選択します。
  3. そのフォルダーが空の Project として開きます。

読み込みを開始するまでは、元の原稿を Project フォルダーの外に置いてください。

A2. フォルダーとファイルを読み込む

多くの Obsidian 保管庫や Markdown 原稿フォルダーは、次のように文書と画像で構成されています。

my-novel/
├── 01-opening.md
├── 02-encounter.md
├── 03-rising.md
└── images/
├── map.png
└── chapter-3-divider.png

新しい Scribe Project の左側にあるファイルツリーのアクションバーで、インポート > フォルダーをインポートを選択します。.md.markdown.txt.docx をまとめて読み込めます。可能な範囲で元のフォルダー階層が保たれます。

手動で整理する場合は、章の Markdown ファイルを本文フォルダーに置き、画像を assets/ にまとめます。Scribe が新しいファイルを検出すると、ファイルツリーが更新されます。

A3. 名前、構造、フロントマターを確認する

フォルダーを読み込むと、各ファイル名を基に Scribe の文書名が設定されます。読み込んだ名前、階層、本文構造を確認してください。

Obsidian の YAML フロントマターは、プロジェクト設定には転記されません。tagscssclasspublish などの項目を確認し、原稿での用途に応じて残す、書き換える、削除するのいずれかを選びます。書籍と出版に関する情報は、別途 プロジェクト設定に入力します。

A4. Obsidian 固有の記法を書き換える

Obsidian には、Scribe がそのまま解釈しない Markdown 拡張があります。Project 全体でどのように置き換えるかを決めます。

Obsidian の記法Scribe での置き換え例
[[内部リンク]]通常のリンク [内部リンク](./other-chapter.md) にするか、参照先が不要ならタイトルを斜体にします。
[[Image.png]] の埋め込み標準の Markdown 画像 ![](assets/Image.png) にします。
![[Note#Heading]] の埋め込み必要な内容を原稿へコピーします。リンク先のノートは自動挿入されません。
==ハイライト==*強調*に置き換えるか削除します。印刷物ではハイライトの意味が引き継がれません。
%%コメント%%標準の HTML コメント <!-- コメント --> にします。
コールアウト(> [!note]通常の引用へ変換するか、マーカー行を削除して本文を残します。

次の 2 段階で作業できます。

  1. OS で Project フォルダーを開き、複数ファイルの検索と置換に対応するテキストエディター(VS Code、Sublime Text、BBEdit、Neovim など)で開きます。
  2. 上の表を参考に、影響の小さい置き換えから順に実行します。

Scribe で Project を開く前に、すべてのリンクを修正する必要はありません。解釈できないリンクは通常の文字列として表示されるため、原稿を読み直しながら整理できます。

A5. 章の順序を確認する

ファイルツリーに章が表示されたら、読み順にドラッグして並べ替えます。いくつかの文書を開き、内容が正しいことも確認してください。

A6. Project の書籍情報を入力する

左サイドバーの プロジェクト設定を開き、タイトル、サブタイトル、著者、言語、内容紹介、必要に応じて EPUB の表紙を入力します。これらの情報は EPUB とショートコードで使用されるため、先に入力しておくと後の作業を減らせます。


パート B — Word(.docx)から Scribe へ

Scribe は .docx を直接読み込めます。先に Word でスタイルを整理し、1 ファイルの場合は ファイル > ドキュメントをインポート…、複数ファイルを含むフォルダーの場合は インポート > フォルダーをインポートを使用します。一般的な文章構造は引き継がれますが、Word のレイアウト全体は再現されません。

B1. Word 文書を整理する

あらかじめ Word で次の点を整えると、読み込んだ Markdown を確認しやすくなります。

  • すべての変更履歴を承認または却下する
  • コメントを削除する
  • スタイルを統一する。章タイトルには見出し 1、場面転換には見出し 2または中央揃えの 3 つのアスタリスク、本文には標準の本文スタイルを使用する
  • 章の途中にある手動の改ページを削除する。Scribe では、手動の改ページではなく文書構造に基づいてページが分けられます。
  • 必要な画像説明文を残す。画像は読み込み後に Scribe で追加し直します。現在、画像専用のキャプション欄はありません。

B2. .docx を読み込む

1 つの Word 文書は **ファイル > ドキュメントをインポート…**で読み込みます。章ごとに複数の .docx へ分かれている場合は、インポート > フォルダーをインポートを選択します。

読み込み後、まずプレビューで次の点を確認します。

  • 見出し、段落、太字、斜体、リンク、リスト、引用、コードが想定した順序で残っている
  • 場面転換が正しい位置にある
  • 表、画像、脚注、文末脚注を必要に応じて作り直した、または文章に書き換えた

B3. 必要に応じて見出し単位で分割する

長い文書を読み込む前に、見出し 1 ごとに別の Scribe 文書へ分ける場合は # 見出しでドキュメントを分割を有効にします。長編では文書を分けることで、ファイルツリーの順序、コンパイル対象、書き出し範囲を管理しやすくなります。

B4. 読み込み後の不要な書式を整理する

Word 文書には、長く使ってきた書式が残っていることがあります。読み込み後に、次の点を確認します。

  • 段落途中の改行 — 段落内に不要な折り返しが残っている場合は、検索と置換で削除します。
  • スマートクォート — Word の曲線型引用符は通常そのまま引き継がれます。直線型へ置き換える必要はありません。
  • ブックマークのアンカー — 不要なものを削除し、原稿内で参照しているものだけを残します。
  • インラインスタイル — Word の文字スタイルは Markdown と 1 対 1 で対応しない場合があります。用途に応じて *斜体* または **太字** に置き換えます。
  • — 必要に応じて通常の段落、リスト、画像へ書き換えます。
  • 画像 — **画像を挿入 > ディスクからインポート…**で追加し直します。

B5. pandoc を使用する場合

コマンドラインを使うチームや複数ファイルをまとめて変換したい場合は、pandoc.docx を GitHub Flavored Markdown に変換してから、パート A の Markdown 読み込み手順を使用できます。Scribe に読み込む前に、変換後のファイルを別のエディターで確認したい場合にも適しています。


このチュートリアルで行ったこと

  • Obsidian の保管庫を Scribe Project の構成に合わせました。
  • Scribe が解釈しない Obsidian 固有の記法を一般的な Markdown に置き換えました。
  • Word の .docx を読み込み、引き継がれた文章構造を確認し、対応していない要素を作り直しました。
  • 書籍情報、画像、コンパイル順を整え、Scribe のプレビューと書き出しに備えました。

次に読むページ

  • エディターの基本 — キーボードショートカットや自動保存を確認します。
  • 編集 — 画像の読み込み、インライン・全ページ表示、配置方法を確認します。
  • CMYK 印刷用 PDF — Scribe に読み込んだ原稿を、オンデマンド印刷や商業印刷向けの PDF に仕上げます。